■エッセイ5…長崎新聞2003年8月14日付「うず潮」掲載

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月で過ごす夜はどんなだろう?月から見る地球は月の20倍も明るく輝いているそうです。月の一日は約29.5日ですから空に浮かぶ太陽や星は実にのんびりと動いていることになります。地球はと言うと天空の一点で止まっていて、やはりゆっくりと満ち欠けをしているという。生きているうちに月に行けたら体験できるのだが…ちょっと難しそうです。 地上に目を移してみましょう。夏休みになって月の美術館のお客様も観光を兼ねて来られる方が増えました。近くには新地中華街もあります。現在、唐人屋敷跡は石畳を復活させる工事など少しずつ整備が進んでいます。当時は石畳だった道路も車が通るようになってすっかり剥がれてしまったそうです。それを復活させる工事が3年がかりで始まりました。壊してはお金をかけて復活させるという人間の身勝手さも垣間見えます。便利さに慣れるとなかなか戻るのは難しいですね。ただ整備工事で昔ながらの情緒が失われないようにと願っています。 唐人屋敷界隈を訪れる観光客の多くは昔ながらのレトロな市場や雰囲気のある路地などの佇まいを楽しんでいらっしゃいます。その中の月の美術館も築35年の民家を自宅兼でそのまま使っています。柱時計の音に思わず「あぁ、小さい頃自分の家にもありました」と郷愁を感じる方も多いのです。あまりに綺麗に整備しすぎて、作られた観光地が多いなかにあって唐人屋敷界隈は貴重な観光資源だと感じています。できるだけそのままにしていて欲しいものです。 もう一度月のお話しに戻ります。驚くことに日本でも3万人の人が月の土地を買っています。米国の個人企業が月の土地を1エーカー(サッカーグラウンド1面分)2,700円で販売しています。それも夢かもしれません、しかし月は誰のものでもあって欲しくないと思うのはボクだけでしょうか?月に行けなくてもかぐや姫の世界を夢見て遊ぶ人間が幸せなのかもしれません。(「月の美術館」館長)
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