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■エッセイ2…長崎新聞2003年5月28日付「うず潮」掲載



「何故月を描くの?」  ヤマサキユズル

月を描いていて一番多い質問は「何故月を描くのですか?」です。ボクはただ月を描きたかったから描いています。何か理由があって月を描き始めた訳ではないのです。ある日ふっと月を描いてみようかなって思っただけなんです。

質問を受けたとき自問自答してみました。「何故月を描くの?」その答えは「月は心と同じです。満ち欠けはその時々の心の有り様で、月の裏側は自分にも見えない心の裏側のようです。それが神秘的でボクの心を捉えて離さないのです」また「すべての存在の源である宇宙の象徴として月を描いています」日本語の月の語源は民俗学によると憑く(ツク…心が乗り移る)という説があります。どうもボクは月に取り憑かれたらしい。ともあれこれまでの3年間で260点余りの月の絵を描いてきました。

先日県外から月の美術館に来られた一人の女性が、月の絵を観ながら涙を流していました。絵の中の月に共鳴されたのでしょうが、絵を描いたボクが感激したのは言うまでもありません。その女性の心の中にもきっと同じエナジーがあるから共鳴したのかもしれない。最近そんな思いが強くなってきました。

「またまたへとへとになった状態で遊びに来て優しいお月様に癒されました(^-^)
いつもあなたが見守っていてくれるのだものね/少しくらい辛くても明日を信じて頑張ろう/少しくらい哀しくても優しい気持ちを忘れないでいよう/そんな勇気が湧いてきます(^-^)/見守られているって思えることの幸せ」(月城遼河)…これは最近ホームページに掲載した新作に頂いた感想です。

ボクは単なる月の風景として描いてはいないのです。ほんとうの月が放つ宇宙のエナジーを絵に吹き込もうとしています。ボクの絵を見て元気になるのはそんなエナジーを少しでも感じてもらえるからでしょうか。素敵な感想を頂くたびに次の制作へのエナジーをもらっているのは実はボクの方なのです。(「月の美術館」館長、長崎市)

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