■エッセイ9…長崎新聞2003年12月7日付「うず潮」掲載

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9月のこの欄で「月の美術館で月琴の演奏を聴くのが夢」と書き、その後多くの反響があったことをお知らせしました。それから2ヵ月後、月の美術館に長崎明清楽保存会事務局長の山田慶子さんが来館されました。山田さんは新聞の事はご存知ではなかったのですが、新聞を読んでいただいたところたいへん感激されました。準備室を立ち上げたばかりの「月の会・長崎」にも参加していただき、正式な発会式の折には月琴を演奏して頂くことになりました。お話の中で月琴は大きなホールよりも本来こんなお座敷が似合いますとも言ってくださいました。 「月の会」というのは著述家であり「月と季節の暦」でも知られる志賀勝さんの呼びかけで全国各地で結成されている「月を楽しむ、月と親しむ」ことをモットーにした集まりです。「月の会・長崎」準備室も山田さんが来館される前日に志賀さんからの提案で立ち上げたばかりだったのです。会員登録が15名になったら正式に発足する予定ですが、すでに13名。意外に早く実現しそうな気配です。それにしても月の絵から「月の美術館」「月の暦」「月の会」「月琴」この不思議な出会いと月の連鎖には深い感動を覚えてしまいます。 出会いといえば、先月来られた六十歳のご夫人は月の絵をご覧になって「毎晩月を眺めながら散歩をします。この年まで生きていると人生にはいろいろなことがありますが、月の絵がこんなにも心に染みるとは思っていませんでした」と涙を流されながらお話をされました。こちらまで熱いものが伝わるのを感じながら、あらためて絵を描いていて良かったなと思ったものです。 月の絵と満月や新月などの月相入り卓上カレンダーを作りました。来年8月はひと月に2回満月がありますが2回目の満月は「ブルームーン」と呼ばれ、見ると幸せになれるそうです。月の美術館は12月18日で1周年を迎えます。二年目は月琴の演奏も、また素敵な人との出会いも楽しみです。(「月の美術館」館長) |