■エッセイ27…2005年6月2日付長崎新聞「うず潮」掲載

| 「月の星座」 ヤマサキユズル 占いなど信じないという人も多いと思います。僕もそうでしたが近頃考えが少し変わってきました。 月の星座は表に現れる太陽の星座とは違って、生まれたときに月がどの星座にいたかによって自分の隠された心模様を示すものです。普段は気づかない無意識の中の本当の自分と向き合うことができるといわれています。 紀元前3000年以上も前の神話「ギルガメッシュ叙事詩」にはすでに星座神が登場しています。古代バビロニア時代の占星術は国や国王の未来を占うもので、個人を占うようになったのは紀元前3世紀ごろギリシャに伝わってからだといわれます。さらに2世紀ごろ天動説で有名なプトレマイオスが体系化してローマからヨーロッパへと伝わります。もともと占星術と天文学は一体のもので17世紀の有名な天文学者ケプラーは占星術者でもありました。彼は世界初のSF小説ともいうべき「夢」を書き、その中で月に旅行し月から見た地球を描いています。コペルニクスの地動説によって19世紀になると自然科学と占星術の間には完璧に一線が引かれるようになります。文豪ゲーテやシラーはその狭間で心が揺れ動いていたようです。 しかし自然科学の彼方には不可思議な世界がいくらでも広がっています。科学万能の神話が壊れた現代にあって、古代人の知恵を探ってみるのも面白いと思うのです。 自分が生まれたときの太陽や月や星の位置、さらに生まれた地域や周りの人々からの影響を受けます。いつどこに生まれるかによって性格が形作られ、さらにその性格で生きることによって運命が決まっていく…。人は環境で育つということを考えればあながち無視できません。ちなみにボクの太陽の星座は「しし座」、月の星座は「おうし座」です。ロリー・リード著「月の魔法」によると牡牛座は慎重で活動的、魅力的、目標を遂げる粘り強さ、頑固で自分に甘い、自分を不快にするすべてを嫌う…などと書いてあり、納得です!(「月の美術館」館長、長崎市) |