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■エッセイ32…2005年11月4日付長崎新聞「うず潮」掲載
                   
                             


「月と健康」  ヤマサキユズル

 歯医者さんからご質問を頂きました。患者さんから「毎月満月の頃に下唇を噛んでしまうのですが満月の時は歯が伸びるのですか?」と聞かれたのですが如何でしょうか?というものでした。
画家であるボクは医学的なことについては門外漢ですが満月の時にだけ歯が伸びるとは考えにくいです。
満月の時には、体がいろんなものを吸収しやすい時期で太りやすく、むくみも起こりやすいそうです。新月の木、満月の木で確かめられているように満月の頃は生物の水分や栄養分は満杯状態で歯と唇の間も狭くなって噛みやすくなっているのかもしれません。

 「月の引力が見える町」というのは佐賀県太良町のキャッチコピーです。有明海の干満の差は日本最大で5〜6メートルにもなります。月の引力は海だけでなく陸地も盛り上がるほどの力ですから人間をはじめ地上の生物の体内でも同様のことが起こっていると考えるのが自然だと思います。この仮説はA.L.リーバー博士の世界的なベストセラー「月の魔法」のバイオタイド理論として知られています。
人間の体の約70%は水分です。健康状態や個人差もあるでしょうが、月の影響から海と同じように満潮や干潮、あるときは高潮もあると考えられます。

 18世紀には医学的な月と健康の調査が行われ、新月の頃に目まいや鼻血があるという報告がなされています。新月や満月の頃に外科的な手術を行うと出血がひどいので月相をみて手術日を決めるというお医者さんもいると聞きます。女性の月経は月のサイクルが基本ですが、アメリカで行われた生理不順の治療実験では患者の足元に100ワットの電球を置き月の出入りに合せて点滅させると三日間で全員が安定したという結果が得られたそうです。

 〈月〉の会・長崎には現役のお医者さんもいらっしゃいますが医学的には明確な根拠やデータがないとコメントできないとのこと。月と健康については今後さらに医学的な実証がなされることを願っています。
(「月の美術館」館長、長崎市)

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