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■エッセイ16…長崎新聞2004年7月4日付「うず潮」掲載
                  
                             


「蒼い月」  ヤマサキユズル
 アポロ12号のコンラッド宇宙飛行士は「月と同じ色を思い浮かべるとしたら、それは舗装道路だ」と言っています。
でも実際の月の色と地上で見る月の色は違っています。
 日本では古くから月は蒼いと言われています。光源の少ない場所に住んでいた頃、月夜の町並みが青白く濡れたように輝いて見えました。これは「月の霜」などと表現されます。
 月のスペクトルを調べると意外にも太陽より赤みを帯びているそうです。
太陽よりも赤いはずの月明かりで町並みが青白く見えるこの現象は「プルキニエ現象」と呼ばれます。
 同じ明るさの赤と青の光源を徐々に暗くして行くと、同じ割合で暗くして行っても人間の目には次第に青い光の方が明るく感じられるようになります。人間の視細胞のひとつ「かん状体」の働きで、人の目は暗くなるほど青い色に敏感になるそうです。
19世紀のチェコの生理学者プルキニエが解明したことから名付けられました。
 明るく感じる満月でも太陽の光のわずか約7%しか反射していません。
昼間の太陽の明るさに比べると46万5千分の1(平均)の明るさしかなく、
そんな弱い光の下では「プルキニエ現象」がおきやすくなります。心理状態にも影響を及ぼすらしく、
「プルキニエ現象」が起きる夕暮れ時は人間の心理が不安定になりやすい時刻で魔の時間帯とも言われ、統計学上でもこの時間帯に衝動買いする人が多いとも…要注意です。
  ブルームーンというのは一般には青い月のことですが、
火山から放出された成分によりまれに見られる現象だそうです。
また一ヶ月に2回満月がある月の2回目の満月はブルームーンと呼ばれます。
英語で「Once in a blue moon」は「めったにないこと」「非常にまれなこと」の意味で使われる慣用句だそうです。
 幸運にも今年8月は1日と30日が満月です。
ブルームーンを見ると幸せが訪れるといわれています…晴れるといいですね。
(「月の美術館」館長、長崎市)

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