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■エッセイ14…長崎新聞2004年5月2日付「うず潮」掲載
                   
                             


「月への疑問」  ヤマサキユズル
 嬉しいことに「うず潮」に書いたことへのご質問が電話やお手紙でいただけるようになりました。
 先日藤沢市の方から直接お電話がありました。
藤沢の方が長崎新聞ですか?とお尋ねしたら知人の方から切抜きを送ってもらったとのことでしたがそれにしても驚きました。 
 ご質問はイスラム教国の国旗に反対向きの三日月が描かれていることへの疑問でした。南半球では三日月が日本で見るのとは反対向きの二十六日月のように右向きになっていると書いたのですが、その方は同じ疑問を調べられていて「オスマン帝国は北半球なので理由にはならないのでは?」ということでした。
 たしかにイスラムの国といってもほとんどは北半球にあって私が書いた理由に当てはまるのはコモロ・イスラム連邦共和国の国旗ぐらいです。三日月と星がイスラム教のシンボルになったのはオスマン・ベイが夢で見たという説とその孫にあたるムラト1世がある戦場を訪れた際に三日月と星が輝いたという伝説に基づいているという二つの説があるようです。14世紀ムラト1世が戦ったのは主にヨーロッパとバルカン半島ですから北半球です。オスマン・ベイの夢に出たのは?…結局謎は深まるばかりです。

 もうひとつ南高の方からお手紙を頂きました
「…上弦・下弦の月は上る頃は逆になる…」と書いたのですが「どうしてですか?」というご質問でした。
調べてみて一番納得できる有力な説は上弦・下弦の上・下は上旬・中旬・下旬の意味から来ているというのです。
つまり上向き・下向きではなく、月が満ち始めた頃の上旬の半月を上弦の月と呼び、月が欠け初めた頃の下旬の半月を下弦の月と呼ぶと考えた方がいいような気がします。
 去る4月10日、月の美術館に月暦で知られる志賀勝氏が来館され
月にまつわる講話を拝聴しました。
今年8月に開催される月山や高野山での月のイベントや
月暦に関するお話など月の文化の深さを実感した夜でした。
(「月の美術館」館長、長崎市)

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