| 「月暦ライフ」 ヤマサキユズル
念願だった月琴の演奏を聴く事ができました。「月の会・長崎」の発会式は1月24日(月暦正月三日)に行われました。月の美術館に響く月琴の音色は三味線とマンドリンを合わせたような異国の風情を感じました。遠く龍馬の時代に思いをはせながら胸が熱くなる思いで聴き入っていました。「月の会・長崎」は〈月を楽しみ、月と親しむ〉をモットーに隔月の例会や月にちなんだ行事を開催して行きます。会員は21名になり、遠くは大阪、山口、福岡、対馬などから参加されました。その後東京からも登録があるなど月の引力の強さを実感しています。重陽の節句(月暦九月九日)の折に再び月琴の演奏が予定されています。
月の会の折にお話をしたのですが18世紀のロンドンに「ルナ・ソサエティー」という一種のクラブがあったそうです。それに関わっていたのが雷は電気だということを発見したベンジャミン・フランクリン、蒸気機関のジョージ・ワット、陶磁器製造のウェッジウッド、進化論のダーウィンの祖父で医者のエラスマス・ダーウィンなど今考えればそうそうたるメンバーが名前を連ねています。この「ルナ・ソサエティー」は産業革命という時代の転換期にあって新しい技術の可能性を探る情報交換の場であったようです。おもしろいのは「ルナ・ソサエティー」は毎月、満月にもっとも近い月曜日の夜に集会を開いたという点です。“ルナは”月のこと“ルナティック”は気がふれたと言う意味で自分たちの事を変わり者だというしゃれっ気でつけた名前のようです。
先日、月の美術館に月暦で生活していますという女性がいらっしゃいました。ご主人が漁師さんなので月夜間(つきよま)といって満月の頃しか帰ってこられないそうです。「夫婦生活もその時にしかできないんです。そんな生活をずっと続けています」とおっしゃっていました。話には聞いていましたが直接聞くのは初めてで興味深いことでした。
(「月の美術館」館長、長崎市)
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